243号表紙

No.243(平成5年1月)

特集:

神戸の民俗芸能(下)

神戸の民俗芸能(下)

生き物としての民俗芸能(下)

(左)
多井畑厄除八幡宮「鉦叩(かねたた)き」(9月20日、須磨区多井畑)
この写真は、夕方6時ごろ宿を出発するときのもので、行事の主役はそろいのカスリを着た小・中学生。輪の中にいるのは、行灯(あんどん)を支える3人・太鼓2人・扇子を手にした唄い出し3人、その外には提灯(ちょうちん)持ち数人と鉦叩き10数人。第2次大戦以前は八幡宮の氏子72軒の子供だけしか参加できなかったが、それ以外の家からも参加できるようにして行事は続けられている(12ページ参照)
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    前開下「獅子舞」(10月8・9日、西区伊川谷町)

    前開下の獅子舞は、80年ほど前に途絶え、伊川谷惣社の秋祭りでも獅子頭を持って行くだけになっていたが復活の気運が盛り上がり保存会が結成された、秋祭りを目標に練習をしていたが、依頼されて平成4年8月9日「西区ふれあい文化フェスティバル」に出場した。秋祭りだけでなく、八幡神社厄除まつり(1月19日)にも演じる予定で準備が進んでいるそうだ
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    和田神社「だんじり」(5月2・3日、兵庫区和田宮通)

    和田宮のだんじりは、摂津地方では、岸和田に次ぐだんじり祭といわれていたが、戦後長い間だんじりが運行されていなかった。昭和53年、金平町のだんじりが修理され、カネ・太鼓の練習を始め、青年が中心となってだんじり保存振興会が結成され、復活の第一歩となった。現在ではだんじりが2台運行され、年々にぎわいを増している(写真提供 和田神社)
  • 写真だんじりの張り出し舞台での演芸
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    「舞子音頭」(8月10・11日、垂水区西舞子)

    垂水区・舞子青年団主催の盆踊りで、昭和54年にできた保存会が舞子音頭、舞子数え歌を歌った。盆踊りは歌舞伎などに由来する物語を、リズムにのせて延々と語り(口説き)、それにあわせて踊るのが一般的であった。かつては白砂青松の砂浜で夜どおし踊られていた。今は会場も移り、平成3年には雲仙救援バザーが行われるなど、世相を反映し変化しているが、地域の人々は自然に踊りに溶けこんでいる
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    「塩屋音頭」(8月14・15・16日、垂水区塩屋町)

    塩屋音頭は美嚢(みのう)郡吉川(よかわ)町の吉川音頭(播州音頭の発祥地は吉川とする説がある)に源があると伝えられ、第2次世界大戦後中断していたが、昭和53年から復活した。塩屋漁港脇の空き地で行われた盆踊りでは、塩屋音頭保存会の人たちが音頭を歌った
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    淡河八幡神社「播州音頭」(8月16日、北区淡河町)

    淡河音頭や淡河マーチなどの民踊をはさみながら播州音頭が踊られる。盆踊りは一般に遠く中世の念仏踊りに起源するといわれ、播州音頭は江州、河内音頭と並び畿内三大音頭と称されてきた。詞曲、踊り共に古風の趣深く、テンポも至って緩慢である。 淡河町各町では、かつて盛んに踊られたが、次第に活気が失われてきていた。地域の人々の尽力で、昭和49年から国際平和祈願祭とあわせて行われ、今では淡河の夏に欠かせぬ行事として親しまれている
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    二郎「獅子舞」(10月10日、北区有野町)

    午前中は地区の家々をまわり、午後神社の境内で奉納する。境内での舞には平(ひら)の舞・剣の舞・猿獅子・花獅子・天狗獅子など、たくさんの演目がある。近年新しい住民が転入するにつれ、神社を訪れる人も多くなっている。土地の人みずからジュース、ヨウヨウ釣りなどのコーナーを出し、子供たちも楽しみにしている様子で、以前のひっそりと奉納した村の鎮守の獅子舞も、それを取り巻く環境は様変わりしているようだ
    天狗御子
  • 写真猿獅子
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    海神社「海上渡御」(10月12日、垂水区宮本町)

    午前9時から神事、10時から猿田彦を先頭に神輿(みこし)の渡御がはじまる。垂水漁港まで練った神輿は午前11時御座船に移され海上渡御となる。例年、供奉(ぐぶ)の漁船も含めて20隻ほど出て、壮観である。東は和田岬まで行って引き返し、帰港した神輿は商店街を中心に夕方まで練り、東西垂水地区のかきだんじりも出て一日にぎわう
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    北野天満神社「北野国際まつり」(7月月27 ・ 28日、中央区北野町)

    日本の祭りを見るだけでは物足りないという、J・グラックさんが昭和56年に提唱し始められた。京阪神在住の20力国、約300人のボランティアが、企画から運営まですべてを行っている。特定の宗教や民族の枠にとらわれないのが特色で、国際都市・神戸を象徴するユニークな催しである
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    北野国際まつり

    境内に所狭しと並ぶ屋台の売り物、境内中央の舞台で次々くり広げられる出し物はすべて公募で決められている。写真はピエロ
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    関帝廟(かいていひょう)「孟蘭盆(うらぼん)」(8月13日〜15日、中央区中山手通)

    孟蘭盆は日本のお盆にあたる行事。廟内に寞宅(みんてい)と呼ばれる家の模型(紙製)を並べ、故人がこのような生活を送ってほしいと願う。これを作るのは、中国福建省から招かれた専門の職人さん数名で、1か月近くかかって入念に作られる。ガレージには大型の乗用車、応接間には豪華な応接セットと、きらびやかな家具のミニチュアが置かれている。行事のあと、関帝廟前の道路で燃やしてしまうのが惜しい気がする。また、冥宅と対照的に、数種類の地獄を具体化した模型も並べられ、民間信仰に触れることができる
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    孟蘭盆が行われている関帝廟前
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    神戸まつり「だんじりパレード」(5月17日、中央区)

    神戸まつりの呼び物の「おまつりパレード」で、毎年豪快な練りを披露している
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    南京町「春節祭」(2月15〜17日、中央区元町通)

    旧正月に行われる中国最大の伝統行事で、今年で6回目を迎える。毎年30万人前後の市民や観光客でにぎわう。今、日木の春節祭で龍踊りをしているのは神戸と横浜だけで、日本一長い神戸独特の龍をつくろうと香港まで買いに行ったとのこと。祭りの3か月前から練習を始めるが、踊りはハードで若い人でも30分が限度ということだ。写真は、龍踊りと雑技団のアクロバット・獅子舞で、獅子舞は神戸華僑総会の若い人たちに教えてもらった
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    多井畑厄除八幡宮「鉦叩(かねたた)き」(9月20日、須磨区多井畑)

    旧暦8月13日に行われる鉦叩きは、夕方6時ごろ宿を出発し、8時ごろ神社に入る。道中、太鼓の拍子にあわせて足を運び、お旅所と最後の神社では、はじめの宿と同じように行灯(あんどん)のまわりを回る。いまは「みあかし奉献神事」として、神社の行事になっているが、六斎念仏の流れをひくものと考えられる。民俗芸能の伝承には、地域の人のエネルギーによる若い世代への引き継ぎが必要だが、長く続いてほしい民俗芸能の一つである。
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    大歳神社「提灯(ちょうちん)立て」(2月21日、西区押部谷町)

    午後5時頃から子供たちが宿に集合、7時すぎまで奉納の歌(伊勢音頭)を大声で練習する。その後、用意された提灯を手に神社まで行列する。途中数か所で立ち止まり神社の方を向いて歌う。以前は青年団の指導で、子供が自主的に厳しい規律を守って行われていた。今でも神社参拝の時には、外套(がいとう)・手袋を脱がされる
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    嶋姫神社の獅子舞と太鼓の練習風景(西区押部谷町)

    獅子舞は10月10日に行われるが、神出新々田地区の獅子保存会では、小・中学生が獅子舞を練習している。子供用の小さな頭(かしら)を作り、まだ足・腰が定まらない中、古老の人たち、仲間の励まし合いで楽しく舞っている。また太鼓の練習では、古老が口で音頭をとるのにあわせて熱心にバチさばきをくり返す。民俗芸能の保存、継承への地元の人々の熱意、工夫が感じられる
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    名谷小学校「左義長・餅つき」(1月11日、垂水区名谷町)

    前日、裏山から竹を切り出し、書初めやしめ飾りを入れて燃やす。児童の代表委員会の運営で、地域の自治会・老人会にもチラシ・ポスターで呼びかけ、百数十人の参加があった。左義長のあと地域の人々を交えてゲームを楽しんだり、お菓子やお茶をよば
    れたりと、工夫に富んだ催しとなっている。17日には餅つきも行われた、このような民俗行事が小学校の年間行事に組み込まれ、地域の人とのつながりの中で行われていることは、大変意義深い(写真提供・名谷小学校)
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    上谷上「谷上歌舞伎」(9月23日、北区山田町)

    上谷上の天満神社にある農村舞台で歌舞伎が演じられた。出演したのは、甲緑小学校の「甲緑カブキ教室」・谷上小学校の「かぶきにチャレンジ教室」・甲南大学歌舞伎文楽研究部・女男(めおと)座のメンバーで、指導は市川箱登羅(はことら)氏。自然の中での上演は、演者と観客をより強く結びつけたのか「日本一」の掛け声も飛んでいた
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    粟嶋神社「浦安の舞」(4月3日、北区淡河町)

    午前10時からの神事の後、野瀬地区の女子中学生3人が舞姫となり、扇の舞、鈴の舞を社前で舞った。いずれも世の中の平安を祈念する舞。以前は舞った子供が次の年に舞う子供に教えていたが、ここ数年は土地の百津妙子さんが師範役をつとめている。人里離れた静かな社にふさわしいしっとりとした行事である

1993年神戸の民俗芸能行事予定(広報課編集)

※ここに掲載の民俗芸能は、ダラフこうべNo.242、No.243で取り扱ったもので、市内で行われるすべてではありません。
※時刻は多少前後することがあります。詳しくはお問い合わせ下さい。

北区
「入初式」 有馬温泉 1月2日10時出発
(問)有馬温泉観光協会 TEL904-3450
「引目神事」 六條八幡神社(山田町中宮ノ片)1月19日11時
TEL581-2187
「オコナイ」 無動寺(山田町福地新池)2月5日16時
TEL581-0250
「太子祭」 太福寺(道場町生野)2月11日14時
TEL985-4163
「お塔まつり」 多聞寺(有野町唐櫃上カラト)2月11日10時
TEL981-5001
「御弓神事」 淡河八幡神社(淡河町勝尾)2月17日11時・13時
TEL959-0436
「数珠繰り」 浄蓮寺(山田町衝原畑坂)3月18日、9月20日
TEL583-7110
「谷上歌舞伎」 谷上SHビル(山田町下谷上明田)3月27・28日(時間未定)
(問)神戸電鉄滑J発部企画課 TEL576-3171
「浦安の舞」 粟嶋神社(淡河町野瀬)4月3日、9月13日>10時30分
(問)前田さんTEL958-0007
「御田祭」 歳田神社(淡河町本町)5月3日10時
「子供相撲・播州音頭」 天満神社(淡河町勝尾)7月25日
子供相撲17時30分、播州音頭19時30分
「太鼓念仏」 正覚寺(淡河町行原)8月6日昼、同13日夜
TEL958-0690
「国際友好平和祈願祭・播州音頭」 淡河八幡神社(淡河町勝尾) 8月16日祈願祭18時・播州音頭19時30分
TEL959-0436
「太鼓念仏」 成道寺(山田町原野天神)8月16日昼
TEL581-5126
「獅子舞」 厳島神社(淡河町南僧尾)9月12・13日午後
(問)保存会会長 下田さん TEL959-0001
「神幸式」 六條八幡神社(山田町中宮ノ片)9月15日11時
TEL581-2187
「獅子舞」 大歳神社(有野町二郎上ノ宮)10月10日昼すぎ
「馬駈け」 六條八幡神社(山田町中宮ノ片)10月10日11時30分
TEL581-2187
長田区
「追儺式」 長田神社(長田町)2月3日14時
TEL691-0333
「長田マダン」 大橋中学校(細田町)4月25日11時〜16時
(問)同実行委員長 権さん TEL621-8936
垂水区
「鬼追い」 転法輪寺(名谷町中山)1月7日14時
TEL791-7885
「左義長・餅つき」 名谷小学校(名谷町大谷)1月16日
TEL707-2481
「舞子音頭」 舞子小学校(西舞子)8月14・15日19時
(問)保存会長 川崎さん TEL782-6710
「塩屋音頭」 塩屋漁港近く(塩屋町8月24・25日18時
(問)同保存会長 西村さん TEL751-4731
「海上渡御」 海神社(宮本通)10月12日9時(神事)11時
(出船) TEL707-0188
西区
「弓引き・オオドシ」 顕宗仁賢神社(押部谷町木津)1月2日11時
中村さん TEL994-3796
「追儺式」 性海寺(押部谷町高和)1月15日13時
TEL994-0067
「提灯立て」 大歳神社(押部谷町栄)1月18・19、2月21・22日17時出発
「厄除祭り」 八幡神社(伊川谷町前開)1月19日13時
(問)長尾さんTEL974-0274、北野さんTEL974-0161
「鬼追い」 近江寺(押部谷町近江)2月11日10時・13時
TEL994-0007
「花祭」 慶明寺(平野町慶明)4月7日頃(未定)
TEL961-0126
「秋祭り」 伊川谷惣社(伊川谷町上脇)10月8日19時・9日10時
TEL974-9677
「秋祭り」 岩岡神社(岩岡町字岩岡)10月10日10時
(問)神本神社 TEL911-3930
中央区
「面掛式」 湊川神社(多聞通)1月7日11時30分
TEL371-0001
「春節祭」 南京町 1月22〜24日10時
(問)NTTハローダイヤル TEL371-8600
「神戸まつり」 市役所前フラワーロード他 5月の第3日曜日その前日、前々日
(問)神戸市民祭協会 TEL331-2413
「北野国際まつり」 北野天満神社(北野町)7月25日前後の近い方の土・日曜日10時30分
TEL221-2139
「盂蘭盆」 関帝廟(中山手)8月30・31日、9月1・2日
TEL341-2872
兵庫区
「だんじり」 和田神社(和田宮通)5月2日12時・3日10時
TEL652-1551
須磨区
「鬼追式」 妙法寺(妙法寺毘沙門山)1月3日15時
TEL741-2935
「車の翁舞」 大歳神社(車松ヶ原)1月14日19時
(問)同保存会長 岡さん TEL741-2103
「餅つき」 多井畑厄除八幡宮(多井畑宮ノ脇)1月16日8時
TEL741-0827
「かね叩き」 多井畑厄除八幡宮(多井畑宮ノ脇)9月28日19時出発
TEL741-0827
東灘区
「綱打祭」 綱敷天満神社(御影町石屋八色岡)1月8日9時
TEL841-1150
「だんじり」 保久良神社(本山町北畑)5月4日20時・5日12時
TEL411-5135
「だんじり」 本住吉神社(住吉宮町)5月4日19時・5日17時
TEL851-3746
「湯立て神楽」
TEL841-1150
綱敷天満神社(御影町石屋八色岡)5月25日 前後の近い方の日曜日
灘区
「猿田彦」 河内国魂神社(国玉通)5月2日18時30分・3日12時
TEL861-0587
「茅の輪くぐり」 素佐男神社(岸地通)7月18日・19日
TEL861-4588
「秋祭り」 敏馬神社(岩屋中町)10月9日19時・10日9時出発
TEL861-2091
  • 写真素佐男神社「茅の輪(ちのわ)くぐり」
  • 写真綱敷天満神社「綱打祭」
  • 写真敏馬(みぬめ)神社「秋祭り」

「アーバンリゾートフェア神戸'93」で復活
谷上歌舞伎フェア・駒ケ林左義長

 4月から半年間にわたって神戸市内で開催される「アーバンリゾートフェア神戸'93」で、千年の歴史をもつ長田区の駒ヶ林左義長(さぎちょう)が34年ぶりに復活。また、国と県の重要有形民俗文化財に指定されている北区山田町の下谷上農村舞台でも、谷上歌舞伎フェアを行い、客演として本格的な農村歌舞伎「播州歌舞伎」の上演が計画されています。古くから受け継がれてきた伝統行事や芸能を知ることによって、地域の連帯感を高めてもらおうというものです。

千年の歴史をもつ伝統行事
 駒ヶ林左義長は、別名「けんか祭り」とも呼ばれる伝統行事で、青竹やワラで作った高さ25メートルもある矛型の「お山」をヒノキの丸太の担ぎ台に乗せ、東西に分かれて倒し合います。総勢200人の漁師に担がれた東の村、西の村の「お山」2基が呼び出され、近づき、組み合い、倒し合う様子は実に壮観です。昔は勝った方の村がその年中、網入れの優先権をもったといわれ、争いは壮絶でときには血を見ることもあったそうです。この伝統行事は昭和34年を最後に途絶えていました。
 地域の伝統を後世に伝えるとともに、左義長が長田南部地域の活性化と、今後のまちづくりのシンボル的な行事となることが期待されています。また当日は、左義長の組み合わせのほかに子供みこし、長田区や左義長にまつわる歴史パネル展、ガレージセール、長田区出身の演歌歌手−原田有望さんのショーなど多くの協賛イベントが計画されています。

●開催日 平成5年5月4日(火)
●会場 長田区南駒栄町(仮称)南駒栄公園
●参加料 無料
●主催 駒ヶ林左義長復活委員会
●問い合わせ先 長田区役所まちづくり推進課(TEL078-691-5121)

  • 写真重さ1トンをこえる2基の「お山」が激しく倒し合いをする駒ケ林左義長(昭和34年。写真提供・駒ヶ林浦漁業会)
  • 写真下谷上農村舞台で歌舞伎を演じる甲南大学の歌舞伎文楽研究部の学生とOB。同部は、大学生の歌舞伎クラブとしては関西唯一で、37年の伝統をもっている。若者たちが古い伝統と真剣に取り組んでいることを後押しする意味ざい下谷上農村歌舞伎舞台保存会が舞台を開放、上演の運びとなった(平成2年9月)

農村舞台で播州歌舞伎公演も
 谷上歌舞伎フェアは、現存する下谷上農村舞台を使って、地域住民や関西で活動している大学歌舞伎クラブなどによる歌舞伎を上演します。出演は、地元の市立谷上、甲緑小学校の児童と甲南大学歌舞伎文楽研究部員を中心とし、このほか客演として、全国で唯一残る農村歌舞伎といわれる播州歌舞伎・嵐獅山一座の上演が検討されています。
 農村歌舞伎は元禄時代に完成された歌舞伎が農村の舞台を中心に、地方の民衆に飛躍的に広まったものです。中でも、播州歌舞伎は当時の本流の歌舞伎界からも注目され、加古川流域を中心に昭和初期まで数団体が隆盛を誇っていましたが、現在は嵐獅山一座だけが実演を主に保存活動に取り組んでいます。
 下谷上農材舞台は、回り舞台、裏返し機構で橋に変わる花道、天井づりのセリなどを完備した名舞台で、天保11年(1840)の棟札があります。この舞台からも、江戸時代の農民の歌舞伎に対する情熱がうかがえます。しかし国の重文指定を記念した1968年と、焼失・再建された1979年に嵐獅山一座が公演した以外、本格的な公演は途絶えていました。

●開催日 平成5年9月中旬の2日間
●会場 下谷上農村歌舞伎舞台
●問い合わせ先 北区役所まちづくり推進課(TEL078-593-1111)

  • 写真下谷上農村舞台。天彦根神社境内にあり、間口゚゚ー゚bに、奥行8bーー。規模が雄大で、ゆったりとしたかやぶき屋根の姿が美しい
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