234号表紙

No.234(平成4年4月)

特集:

ピクニックを楽しむ

ピクニックを楽しむ
野や山がいっせいに衣替えを始めました。新緑や花、小鳥たちも美しい声で私たちを迎えてくれます。つくはら湖、摩耶、布引、須磨、六甲から5つの手軽なピクニックコースをご紹介しましょう。

(左)
つくはら湖の湖畔を行く。沿道にはさくら、あじさいを中心に植栽されている

1 箱木千年家・つくはら湖・コウモリ谷
湖面をわたるさわやかな風

写真
  • 写真大きな岩がごろごろしているコウモリ谷。谷の入り口付近にロッククライミングの訓練に使われる岩場もある。約40分谷をつめるとシビレ山。丹生山への尾根道に出る
  • 写真 箱木千年家をイメージしたつくはらサイクリングターミナル。ここで自転車を貸してくれる
  • 写真つくはら湖の野鳥観察広場。湖畔には5か所の休憩所もある
  • 写真呑吐(どんと)ダムを一望する展望台
  • 写真現存する日本最古の民家といわれる箱木千年家。呑吐ダムの建設のため現在地に移転された。一般公開中

2 六甲山牧場・穂高湖・摩耶山
親に寄り添って歩く小羊

 市街地から摩耶山へは摩耶ケーブルーロープウェーを乗り継ぐと、わずか15分で、標高698・6mにほど近い山上公園に到着します。ここから自動車道に沿って、整備された歩道を、小学生くらいなら、ゆっくり歩いても片道約一時間で「六甲山牧
場」にやって来れます(日曜・祝日は市バス26・40系統も運行)。
 当牧場では現在、約百五十頭の羊を放牧・飼育しており、春先に生まれた子羊が、親に寄り添って歩くほほえましい姿を見ることができます。そして羊たちの衣がえの行事、恒例の「めん羊の毛刈り」の
実演を5月3・4日に、刈った毛の販売を5月9日より行います。また、それで作った毛糸・ウール製品等の販売を10月に予定しています。夏休み(8月上旬)には、アルプホルンの演奏、ヨーデルの歌唱、民族ダンスを披露する「スイス・アルペン音楽祭」を開催しています。
 ここに来る途中にもいくつかの見所があります。6月から7月にかけては山上一帯、特に「摩耶自然観察園」では咲き乱れるほどの美しい「あじさい」を鑑賞できます。「掬星台」では市街地の展望を眼下に望み、「穂高湖」のほとりでは疲れた体を休めてはいかがでしょうか。また、太平記に登場する「仞利天上寺」に昔をしのび、国民宿舎摩耶ロッジでジンギスカン料理を楽しむこともできます。
六甲山牧場場長 谷口正夫

  • 写真神戸チーズ館の一階展示ホール。「チーズとウ一ルの歴史と文化」などを紹介している
  • 写真羊のかわいい親子連れを見て喜ぶ子供たち
  • 写真六甲山牧場の入り口
  • 写真六甲山牧場から摩耶山へのドライブウェイの道。木々の芽は日一日ふくらみを増してきた
  • 写真摩耶自然観察園のアジサイ。六甲の初夏を象徴する鮮やかなアジサイは昭和45年5月、市民の花に制定された
  • 写真穂高湖の湖畔の周遊路を歩くハイカー。摩耶山へのドライブウェイから5分ほどなだらかな山道を下ると、紺ぺきの水をたたえた湖に出る
  • 写真摩耶山上遊園の子供の丘。アスレチック風の遊び施設がある
  • 写真掬星台(きくせいだい)の展望台。雄大な眺望が楽しめる
  • 写真摩耶ケーブル下駅
  • 写真摩耶ロープウェー

3 布引ハーブ園・城山・諏訪山
甘い香りを放つハーブたち

 春を迎えた「布引ハーブ園」では、ハーブの花々が陽春のもと、甘い香りを放ち、美しい彩りを見せています。昨年10月にオープンして以来、約36万人の入場がありました。
 前月より、夜間の営業時間を夜8時30分まで延長。そして近くにある「布引の滝」で、ライト2灯による夜間照明が夜9時まで行われています。真下に広がる神戸の美しい夜景とともに、その光を放つ水の流れを「新神戸ロープウェー」から楽しむことができるようになりました。
 同園が世継山の山麓にあることから、新神戸から市が原、再度公園、摩耶山へのハイキングルートにもなっています。体力のある方は市街地を眺めながら、布引渓谷から「猿のかけ橋」を渡って「城山公園」まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。そこには織川信長に攻略されて落城した「史跡滝山城阯」があり、市章と錨の電飾で有名な2つの山を経て諏訪山、ビーナス・ブリッジに至る道は、所要約2時間で市街地を間近に一望できるコースです。山はきついかもしれませんが、足に自信のある人の散策にはいいでしょう。
中央区役所総務課長 高橋正守<

  • 写真夜のライトアップで幽玄な趣を醸し出している布引の雄滝
  • 写真市街地の上に浮かんだように感じる新神戸ロープウェー。新神戸ロープウェーは地下鉄新神戸駅、市バス布引(2、18、91、92系統)・新神戸駅(64系統)からそれぞれ徒歩約5分の「北野町1丁目」駅から、山頂の「布引ハーブ園」駅までを、約10分で上り下りしている
  • 写真新神戸ロープウェーの布引ハーブ園駅から布引ハーブ園有料ゾーンへ
  • 写真

    城山の頂上付近にある滝山城阯。写真右手の林の向こうに見える山は布引ハーブ園のある世継山。滝山城の築造年代は不明。永禄11年(一五六八)、織田信長が摂津に進んでこの城に迫ろうとしたので、城にいた藤原長房が逃げ、摂津守護の荒木村重が支配するようになった。その村重も信長に謀叛をおこし天正7年(一五七九)に落城。約二五〇年の長い歴史を閉じた

    写真布引のハイキングコースと猿のかけ橋。この橋を西側へ渡ると城山へ出られる
  • 写真

    約70種のハーブを植栽している見本園。ローズマリーの香りが漂う休憩所もある

    写真城山の展望広場。V字型の真下に北野の異人館街が見える。ここから北野へ下ることもできる
  • 写真あでやかに咲き誇る諏訪山の桜
  • 写真
    錨(いかり)山にある風力発電設備。神戸の夜のシンボルになっている錨や市章の電飾に必要な電力をまかなっている

4 奥須磨公園・おらが山・須磨浦公園
"ちびっこ釣り池"もあるよ

 市営地下鉄「名谷」駅で市バス74系統に乗車し、「奥須磨公園前」または「多井畑厄神」で降りると、道を隔てたところが奥須磨公園です。ここにはいくつかの池があり、トンボの生息地としても有名。「ちびっこ釣り池」では子供たちにとって楽しい釣りで遊べます。豊かな自然が残る公園には、散策する人たちや、遊戯具で遊ぶ子供、天気のいい日にはお弁当をひろげる家族連れもたくさんいます。
 南側の高台に広がる高倉台団地を横切ると、おらが山が見えて来ます。山頂には休憩所、軽食レストラン、展望台のある「おらが茶屋」があります。ここからは六甲山全山縦走路にもなっているなだらかな尾根道を鉄枴山、旗振山、鉢伏山まで楽に行けます。鉢伏山の須磨浦山上遊園には回転展望閣や観光リフトなどもあり、大阪湾・淡路島を一望できます。ロープウェーで下山すると、もう山陽電鉄「須磨浦公園」駅です。
UCCコーヒー博物館館長 諸岡博熊

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    池のほとりの静かな遊歩道

    写真奥須磨公園の遊具
  • 写真多井畑厄神
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    奥須磨公園の池。魚の釣り場として整備されている。広い公園内は桜の名所でもある

    写真釣りを楽しむ子供たち
  • 写真高倉台を抜けておらが山へ
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    おらが山にできたレストハウス「おらが茶屋」。一階はトイレ、二階は軽食・喫茶室。屋上からの眺望は素晴らしい。屋上へは自由に上がれる

    写真鉄枴山への山道。左右の木はウバメガシ(ブナ科)。この木で焼いた木炭は、最高級の備長炭で非常に硬く、立ち消えしない。市内では鉄枴山や鉢伏山、高取山、布引などに多く自生している
  • 写真360度の眺望が楽しめる回転展望閣
  • 写真鉢伏山の山上広場。ここも桜が多い
  • 写真おらが茶屋から西の山並みを望む。鉄枴、旗振、鉢伏山と続いている
  • 写真回転展望閣の内部

六甲高山植物園の花 (写真提供・六甲高山植物園)

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    イワヒゲ(ツツジ科)花期5月。高山帯の岩の割れ目などに生える小さな低木。花は純白で鐘形、スズランの花をおもわせる

    写真ミズバショウ(サトイモ科)花期4〜5月、雪解け水の湿原に咲く白い清純の花。この"花びら"は葉が変形したもので、中心にある黄色い棒状の花穂に多数の小花が密生している
  • 写真コマクサ(ケシ科)花期6〜7月。粉白色をおびた神秘的なアクア・ブルーの葉と、あでやかなピンクの花との調和が素晴らしい
  • 写真ミヤマキンバイ(バラ科)花期5月。高山帯の岩石地や草地に生育する多年草。多数の鮮やかな黄花を咲かせる

5 カンツリーハウス・六甲高山植物園・心経岩
東六甲の楽しい施設

写真
  • 写真六甲有馬ロープウェーの六甲山頂カンツリー駅
  • 写真回る十国展望台。摂津、紀伊、丹波、播磨など10国が見えるといわれている
     六甲高山植物園は海抜八六五m、約五〇、〇〇〇uの園内にヒマラヤ、アルプスなど世界各地の高山植物が約一、五〇〇種栽培されている。
  • 写真シーズンオフはプラスノースキーが楽しめる(4月〜11月)
  • 写真16ヘクタール余の広い地域に芝生広場や池のほか、山上にふさわしい各種のレジャー施設があるカンツリーハウス
  • 六甲山カンツリーハウスの主な施設は、バーベキューなどができるデイキャンプ場、ベビーゴルフ、冬には人エスキー場(緑の季節はプラスノースキー)、わんぱくスキー(そり滑り)、ダブリン(立ちこぎ自転車)、ゴーカート、ペダルボート、魚釣り…など。
  • 写真六甲天文通信館の天文ゾーンにある自動追尾装置付き50p反射望遠鏡。肉眼の5千倍の迫力で夜は星、天気の良い昼は太陽のコロナがはっきり見える。このほか展示ゾーン、ふれあいゾーンもある。天文教室(無料)もほぼ毎月1回行っている
  • 写真芝生広場
  • 写真雲ケ岩、心経岩への山道。カンツリーハウスのすぐ近くの自動車道から山荘が建ち並ぶ道に入り、しばらく行くと道標が立っている
  • 写真大きな岩に般若(はんにや)心経が刻んである心経岩
  • 写真六甲天文通信館(NTT)の外観<
  • 写真雲ヶ岩。裏六甲の山並みや遠くに丹生・帝釈連峰が見える。道標から雲ヶ岩までは5〜6分、さらに小さな鉄はしごなどを下ると5〜6分で心経岩に着く
写真
六甲高山植物園のクリンソウ群落
クリンソウ(サクラソウ科)は谷間の水のほとりや山あいの湿地に生える多年草。花期は5〜6月。一本の花茎に2p前後の花を輪状につけ、この輪が何段にも咲き上がっていく姿が寺院の九輪を思わせるところからこの和名がついた。
(写真提供・六甲高山植物園)
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