232号表紙

No.232(平成4年2月)

特集:

神戸の地場産業

神戸の地場産業

自然の恵みと人々の交流の中で育まれた地場産業

(左)
ショールームに並んだ色とりどりのケミカルシューズ(長田区大道通、カワノ(株))。ケミカルシューズも全国の約8割を神戸で生産、代表的な地場産業の一つである

真珠

  • 写真真珠の美しさをいろいろな角度から紹介しているポートアイランドの真珠博物館(田崎真珠(株))。午前9時〜午後6時開館。電話番号 302−3321
  • 写真
    ポートアイランドに昨年11月オープンした「パールシティー」の外観。真珠業者約40社が集まり、共同のショールームや会議場、宿泊施設などを備えている

ケミカルシューズ

  • 写真生産工程の自動化・省力化によって、清潔で生産性を高めたケミカルシュ−ズ工場(長田区若松町、(株)光和)

洋家具

  • 写真神戸の洋家具業界の工場団地、神戸木工センター(垂水区小束山本町)にある洋家具発祥之地の碑。同センターは31企業が結集して昭和40年に発足、合理的な運営により生産性を高めている
  • 写真

    見るからにシックで重厚な感じのする洋家具(中央区三宮町、(株)永田良介商店)

    写真のみを打つ音がリズミカルに響く家具彫刻店の仕事場。高級洋家具店からの受注で毎日作業に追われている(中央区二宮町)<
  • 写真洋家具の製造工程。神戸家具は、一口にいえばヨーロッパの家具に日本風をアレンジしたのが特色で、明治時代からの手づくりの伝統を今でも守っている(神戸木工センター内、永田家具工芸(株))

パン・洋菓子

  • 写真

    菓子パンの生産ライン。生活協同組合コープこうべの食品工場(六甲アイランド内)では、多品種の食品を生産している。パンの種類だけでも約120あり、24時間体制で生産している。同工場の食パン1日当たり生産量は11万5千食(1990年度)

    写真店頭にぎっしりと並んだパン類(JR住吉駅ターミナルビル内、シーア)
  • 写真美しく包装されたチョコレートが並ぶ店内(モロゾフ三宮センター街店)。神戸の開港とともに広まった洋菓子は、大正から昭和にかけてカール・ユーハイム、フョードル・モロゾフ、マカロフ・ゴンチャロフらが市内に店を構え、本場の技術で洋菓子を作り続けて神戸の洋菓子の名を一層高めた

紅茶

  • 写真
  • 写真検茶。専門家(テイスター)が茶の芳香や味を総合チェック、ニーズに合わせて調合する
  • 写真紅茶のティーバッグづめ加工ライン((株)須藤・六甲アイランド工場)。同社は昭和36年、ドイツ製ティーバッグ自動包装機を導入、日本で初めて紅茶のティーバッグ製造を行った。神戸の一世帯当たり紅茶消費量は年間574gで全国1位(昭和63年)

清酒

  • 写真昔ながらの手づくり方式による麹(こうじ)づくり。麹は、アルコール発酵の原料となる糖類や酒の旨味成分をつくる(福寿)
  • 写真三宮の地下道のアドウインドーに並んだ灘の生一本の各銘柄。全国出荷額の約3割を占める灘の清酒は、最近の消費者のし好の変化に合わせ女性層を対象とした低アルコール商品や、冷用酒、生酒、吟醸酒など新製品の開発を進めている
  • 写真清酒の製造工程の最後の瓶詰。洗瓶から箱詰まで一貫したラインで行われる(菊正宗)

食品加工

  • 写真大正11年建築の甲南漬本店(東灘区御影塚町)。甲南漬の各種資料を展示した資料館を併設している
  • 写真甲南漬の魚介類の詰め口作業(高嶋酒類食品(株)本社工場)。同社が奈良漬の製造を始めたのは明治37年
  • 写真甘いにおいがたちこめるイカナゴの"くぎ煮"づくり(垂水漁港の神戸市漁業協同組合調理場)。3月上旬から4月初めにかけて、大阪湾でとれる新鮮で上質のイカナゴを使っている
  • 写真市漁業協同組合が市販している"くぎ煮"
  • 写真かまぼこの製造工程の一つ"らい潰(かい)"。精製された魚肉は温度上昇を防ぎながら石うすと木のきねで丹念に練り上げ、きめ細かなすり身に仕上げる
  • 写真かまぼこの製造ライン(六甲アイランド内のカネテツデリカフーズ(株)六甲工場)。同工場の1時間当たりのかまぼこの製造量は2万枚。同社は、昭和30年に日本で初めてかまぼこの自動包装機を導入、それまで無包装で売られていたのを包装販売へ転換した

製粉

  • 写真兵庫運河のハシケから製粉工場に吸い込まれるバラ積みの小麦(日清製粉(株)神戸工場)。神戸の製粉工業は、阪神の大消費地をひかえ、水陸の便に富んでいることから兵庫運河沿いを中心に古くから大企業が立地、小麦粉生産高はわが国の上位を占めている。大手では日清製粉のほか(株)増田製粉所、日本製粉(株)神戸工場、昭和産業(株)がある
  • 写真製粉工場のコンピューターを使った自動生産ライン

造船

  • 写真三菱重工業(株)神戸造船所で完成した世界最大級のシールドマシン(土圧式)。外径約11m、長さ13.5mでフランス・リヨン市の北部環状道路、河川下横断トンネル工事向けに4月ごろ出荷される予定。英仏海峡トンネルの工事にも同社のシールドマシンが使われている
  • 写真三菱重工業(株)神戸造船所で完成した深海潜水船「しんかい6500」(全長9.5m、空中重量約23.2トン、最大潜航深度6,500m)。この完成で世界中の98%の海底調査が可能となった。明治38年創業の同社は、客船・深海潜水調査船など高付加価値船の建造を得意とし、最近は発電プラントを中心に建設、文化・レジャー関連機器、宇宙ステーションといった新分野へも積極的に取り組んでいる
  • 写真日本初の本格的な豪華客船「ふじ丸」(23,340トン)。昭和63年9月に行われた進水式には約8,000人が集まった。以後、大型客船「にっぽん丸」(21,903トン)、探検クルーズ客船「フロンティア・スピリット」(6,700トン)を建造している
  • 写真1月27日に完成した世界初の超電導電磁推進実験船「ヤマト1」(約280トン)。全長約30m、幅10.4m、最大速力約8ノット。スクリューがなく、超電導磁石6本を環状に組み合わせた電磁推進装置を船底の左右に設置、駆動する。騒音や振動がほとんどなく、技術開発が進めば将来は約100ノット(時速約185km)の超高速航行も可能といわれ、次世代船舶のホープとして期待されている

ゴム

  • 写真

    住友ゴム工業(株)(本社・中央区筒井町)のタイヤ製造工程ライン。同社は、ダンロップの商標で知られるタイヤのほか、ゴルフ・テニス用品、海洋資材、体育館床材など幅広い分野に進出している

    写真最新の自動車タイヤ(右)、国産第1号の自動車タイヤ(大正2年)(左)
  • 写真住友ゴム工業本社の中庭にある「近代ゴム産業発祥の地」の記念碑。明治時代のレンガ造りの建物の外壁の一部を残し、碑をはめ込んでいる
  • 写真

    昔のゴム工場で働く女子労働者。明治42年、日本初の近代的ゴム工場として創業。自転車タイヤ、人力車タイヤの生産を開始した

    写真バンドー化学(株)神戸工場(兵庫区明和通)のコンベアベルトのプレス作業工程(1930年代)。明治39年創業の同社は、大正10年にわが国初のコンベアベルトの生産を開始。近年はゴム、ポリウレタン、プラスチックを素材とするOA・電子・精密機器部品や、自動車・農機・OA機器用などの高精度な伝動ベルトが急速にのびている
  • 写真関西国際空港の建設に活躍するバンドーコンベアベルト。須磨のコンベアベルトも同社製
  • 写真自動車用高伝動ベルト

電機

  • 写真富士通テン(株)本社工場(兵庫区御所通)。同社は昭和47年、富士通(株)からラジオ部門が分離・独立。大正9年創立の川西機械製作所を前身とし、昭和8年には日本で初めて真空管製造を開発、無線通信工業の草分けとなった。現在は最先端のコンピューター技術をもとにカーオーディオ、カーエレクトロニクスなどの開発・製造を行っている。独自の技術で開発したロボット導入による無人化生産ライン
  • 写真
  • 写真国産初の乗用車トヨタ「クラウン」用に納入したオートラジオ(昭和30年)(右)、最新のカーオーディオ(左)
  • 写真チップ部品自動実装機

鉄道車両

  • 写真上空から見た兵庫運河と川崎重工業兵庫工場(左右の運河にはさまれた工場)。その右上に隣接して富士通テン本社工場が見える。運河の手前の橋は高松橋
  • 写真川崎重工業(株)兵庫工場で完成したJR東海の最新型300系新幹線電車(のぞみ)を兵庫運河で、ハシケ積み。2月5日、神戸港で本船に積み替え、東京へ海上輸送された。今年創業86年を迎える同工場は、旧川崎車両時代を経て今日まで鉄道車両製造の専門工場として車両史に残る数多くの製品を生み出してきた
  • 写真明治44年に鉄道院に納入した川崎製第1号蒸気機関車6700形式
写真提供
川崎重工業(株)/(財)シップ・アンド・オーシャン財団/(株)須藤/住友ゴムエ業(株)/高嶋酒類食品(株)/日清製粉(株)/阪神ソース(株)/バンドー化学(株)/富士通テン(株)/三菱重工業(株)/神戸市立博物館/神戸市立文書館

写真

神戸から各地へ旅立つ列車たち

川崎重工業(株)兵庫工場で製造された最新鋭の鉄道車両。写真右から、最新型300系新幹線電車(のぞみ)、100系新幹線電車、251系電車(スーパービュー踊り子)、山形行き400系新幹線電車(つばさ)、651系電車(スーパーひたち)、100系新幹線電車。春のダイヤ改正に合わせて受注が重なったため工場内に勢ぞろいした。普通、完成した車両は順次納車されるため、これだけの数が並ぶのは同工場でも珍しい出来事だった。
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