218号表紙

No.218(平成2年12月)

特集:

旧居留地(下)

タイトルタイトル

旧居留地(下)

市立博物館の正面に並ぶ重厚なドリア式半円柱。昭和10年、旧横浜正金銀行神戸支店として建築。神戸でもそれ以後は戦時色が濃くなり、西洋の様式にならってデザインする明治以来の様式主義建築の最後を飾る建物になった。昭和57年、市立博物館としてオープン
  • 一階のルスティカ仕上げの石積みがとりわけ重厚な印象を与える(商船三井ビル)
  • 旧居留地の街路に建つガス灯。居留地では明治七年(一八七四)ごろ、わが国で最も古いものに数えられるガス灯が街路灯として建てられた。このガス灯は、居留地当時の歴史を伝えるため神戸市制一〇〇年を記念して新しく建てられた
  • 市立博物館前を走る「シティー・ループ」。都心の観光地を一巡するレトロ調のバスは、近代洋風建築が点在する旧居留地の景観にぴったり

    旧居留地は古くて新しいまち。NTT新神戸ビル東側広場の金属彫刻「ウェザードール」は、足を伸ばしたジュラルミン製の人形三体が風が吹くとクルクル回る仕組みになっている。見るからにスポーティーで明るい

  • たそがれのリブ・ラブ・ウエスト(大丸南一号館)昭和四年建築(W・M・ボーリス設計)の風格のある建物の入り口に旗がなびき、クリスマス・ツリーが飾られてレトロ調ファッションを演出している。旧居留地には外国領事館や船会社が多く、ビルのあちこちに旗が垂れていたのでかつては"旗のまち"といわれていた
  • 戦争中の機銃掃射の跡が今も残る海岸ビルの外壁
  • 神港ビル北側玄関のかわいい日よけ。同ビルは昭和十四年築、特に目立つ装飾もなく、合理的で堅実に設計されたオフィス建築だが、玄関部分などは現代の建物とは違う重厚な雰囲気を見る人に与える
  • 外国の有名ブランド商品が並ぶブティックのウインドーと、ツリーの電飾。旧居留地の夜の歩道は落ち着いた中にはなやいだクリスマスムードがいっぱい
  • 映画のスクリーンのように鮮やかに浮かび上がるブティックの窓。夜のソフトな景観的しかけでもある
  • ジーニアス・ギャーラリー一階のカフェ。同ギャラリーは、欧米の十五店舗が路面店の形式で出店しており、ゆったりとした空間の"街路"を散策しながら、お茶を飲んだりショッピングが楽しめるようになっている
  • ハイカラ神戸の原点でもある旧居留地に、新しいショッピングゾーンやブティックが次々と誕生している。新しい神戸の発信地を目指して(建隆ビル)
  • 海岸通りに建つガラス張りの事務所ビル一階の壁をくりぬいたケンゾー・パリのウインドー。国道2号を行き交う車からもよく見える
  • 電飾で美しく演出された夜のブロック30。ここが昔の居留地30番であることを意味している
  • ライトアップした夜のリブ・ラブ・ウエスト。建物の持つ落ち着きとはなやかさがミックスして、旧居留地らしい雰囲気が夜のまちに漂う
  • おしゃれビルの玄関に施された緑のスペース。地域ぐるみのうるおいのあるまちづくりが旧居留地で進められている(ブロック30パートU)
  • クレセントビルの完成予想図。旧居留地の景観を配慮して設計されている
  • 昭和10年ごろの神戸クラブ(東遊園地)。居留外国人の代表的な社交場として親しまれていたが、戦災で焼失した
  • 東遊園地に建設中の"(仮称)花とみどりのカフェテラス"。石・レンガを用いて昔の神戸クラブをイメージした旧居留地風建築のレストハウス、管理事務所、居留地ガーデン(洋風庭園)などが整備される予定
  • 道路にも人があふれた旧居留地プロムナード・コンサート。昨年と同様、今年も四月に大陽神戸三井銀行神戸本部ビル前で開かれた
  • 明治の居留地洋風建築(15番商館、重要文化財)と、ガラス張りのモダンな高層ビル。潟mザワは、高層の新本社ビルが完成するまで、旧居留地に残る唯一の商館であるこの建物を本社事務所として使っていた。現在は文化庁や市教育委員会などにより保存修理工事が行われている

旧居留地マップ

  • 商船三井ビル(大正11年築)の南西角の屋上部分。船長の帽子のように見えるスカイライン、船が波をけたてているようなペディメント(三角形の小さなひさし)、神殿のひさしを思わせる軒の歯飾りなど、船会社の社屋にふさわしいデザインである
  • アーチ型をした商船三井ビル西玄関の石の紋様と波をイメージしたベランダが美しい
  • リブ・ラブ・ウェスト(昭和四年築)の南側正面。四本の付け柱はイオニア式の柱頭で、トスカナ風の柱脚。玄関上の三角屋根は神殿の入り口を思わせ、かつて銀行の建物によく使われた様式である
  • 大興ビル(大正8年築)の東南角にある玄関部分。屋上まで達する2本の大きなエンタシスの柱が目につく。柱の横にギリシャ雷紋も施されている。大興ビル、商船三井ビル、神戸税関庁舎など、この時代は建物の角に主玄関がよくつくられたが、現代建築には少ない
  • 海岸ビル(大正七年築)東側玄関上部の彫りの深い男性的なデザイン。特に柱飾りは設計者・河合浩蔵が得意とした形で、扉にも使われている
  • 窓越しに商船三井ビルの重厚な建物が見える(中央亭)
  • 階段の踊り場手すりの親柱の浮彫りや、デリケートな太さの手すり子の意匠に設計者・渡辺節、村野藤吾の繊細な心遣いを感じ取ることができる(商船三井ビル)
  • 旧居留地で古くから営業している中央亭(海岸ビル)の内部。高い天井と美しいステンドグラス、木製の窓にはゆったりとしたカーテンが掛かり、窓下の鋳物のラジエーターも懐かしい
  • 建物の外部意匠が木製の扉にまで施されている(海岸ビル)
  • 事務室の天井に施された意匠。新古典様式のデリケートな細工に、職人たちがコテで丹念に浮彫りにしていった技と手のぬくもりが感じられる(商船三井ビル)
  • 海岸ビルの玄関ホール。万成(まんなり)石(ピンク色の御影石)の柱と、柱脚と柱頭の七宝焼の飾りが美しい。万成石は戦前はよく使われたが、現在は石が出なくなって使われていない
  • 商船三井ビルのエレベーターホール。時計の針のようなエレベーター階数表示板に時代性が感じられる。モザイクタイルの床の模様が美しい
電飾のクリスマス・ツリーがひと際はなやいだ雰囲気を醸し出す旧居留地のショッピングゾーン、ジーニアス・ギャラリー。欧米各国の有名十五店舗が出店している。店舗の総合設計はフランスのデザイナー、アラン・カレ氏。
ページトップへ