186号表紙

No.186(昭和63年4月)

特集:

六甲アイランド

六甲アイランド

六甲アイランド

写真 ウエストコースト4番街の中央広場で遊ぶ子供たち


表紙写真・フェニックスなどの生い茂る六甲アイランドの緑地でくつろぐ家族。前方の高層住宅は、今年3月から入居の始まった「ウエストコースト4番街」。この家族も3月に入居したばかりだ

魅力ある第2の海上文化都市・六甲アイランド

面積はポートアイランドの約1.3倍


六甲アイランド都市機能用地の完成模型


 六甲アイランドは、現在八十四%が海面上に姿を現しています。計画面積は五百八十ヘクタール、ポートアイランドの約一・三倍、東西約三キロメートル、南北約二キロメートルの人工島です。埋め立てに使った土砂は、研究学園都市、流通業務団地などの造成地からのもので、地下式のベルトコンベヤーで須磨桟橋へ、さらにプッシャーバージ(土砂運搬船)で六甲アイランドへ運びます。水深が二メートルになるまでは底開式バージで土砂を運んで船の底を開けて土砂を落とし、それより浅くなると、バケットホイール式アンローダーで土を揚げ、ベルトコンベヤーの先端に取り付けたスプレッダーを使って海中へまき埋め立てます。


居住人口は三万人、八千戸を計画

 昭和四十七年に着工、完成予定は昭和六十五年。事業費一兆二千四百億円。居住人口はポートアイランドより一万人多い三万人、八千戸を予定しています。
 土地利用計画では、島の外周部分に埠頭用地、そのすぐ内側に港湾関連用地、都市再開発用地、産業基盤用地、そして中央部には都市機能用地を配しています。
 都市機能用地(百三十一ヘクタール)は、中央に業務商業ゾーンを配し、周りに住宅、学校、公園、そして南端の海沿いの部分には文化レクリエーションゾーンを設けています。水と緑に親しめる街づくりを目指し、街の中央に水路を中心としたリバーモールを、そして街を取り巻く周囲に丘のような緑地をつくります。リバーモールは業務商業施設に囲まれた延長六百メートル、幅十〜二十メートルの水路を中心とした二・一ヘクタールの広場です。


都市機能用地を囲む周辺緑地(面積29ヘクタール)

 また都市機能用地を囲む周辺緑地は面積が二十九ヘクタールにのぼり、総延長五キロメートル、幅は北側百メートル、その他四十メートル、高さは最高十五メートルになり五キロメートルのジョギングコースのほかテニスコート、ゲートボール場、彫刻広場などの整備も計画しています。この緑の丘は住宅に住む人々はもちろん、周辺の産業・港湾用地などで働く人々にも潤いと憩いを与えることになります。
 業務商業ゾーンでは、産業のソフト化、サービス化が進む中で、これからの時代を担うファッション、アパレル、情報などの産業の育成を図り、また国際的な常設展示場やホテル、インテリジェントビルなどを整備し、コンベンション機能を充実させていきます。
 住宅ゾーンについては、市街地に近く、目の前は海、北には六甲山系という地理的好条件を生かして、さまざまな人が定住できる街づくりを目指しており、中高層住宅だけでなく、戸建て住宅の建設も予定しています。
 文化レクリエーションゾーンは、国際学校(カネディアン・アカデミイ)、甲南大学のグラウンドをはじめ、市民の文化・余暇活動の場として、海辺や公園・緑地などと一体的に利用できるレジャー施設などを配し、市民が楽しめるゾーンとして整備します。


  • 六甲アイランド利用計画図
    六甲アイランド利用計画図

  • 六甲アイランド利用計画図

新交通システム64年度に開通予定

 一方、六甲アイランドと既成市街地は、新交通システムで結ばれます。ポートアイランドでは島内を一周するループ型でしたが、六甲アイランドではシャトル型(直線型)にします。ルートは、JR住吉駅を起点に阪神電鉄魚崎駅を経由し、六甲アイランドに入る全長四・五キロメートルで、島内で三駅、旧市街地で三駅の計六駅を設けます。昭和六十四年度に開通する予定です。現在、六甲アイランド〜JR住吉駅間に暫定的に市バスを運行しています。



ウエストコースト4番街北東隅のカラフルな住宅棟。
このような住宅棟が街区の四隅にあり、
それぞれ室内にアトリエの付いた住宅棟、
音楽室の付いた住宅棟、ペットの飼える住宅棟など 工夫がなされている。
前方は六甲大橋

コンペ方式で民間活力を導入

 六甲アイランドの特色は民間活力の導入です。昭和六十年度に都市機能用地百三十一ヘクタールのうち三十一ヘクタールについて市が街づくりの条件等を提示し、コンペ方式で民間業者からプランを募集しました。三十一ヘクタールにも及ぶ大規模な住宅・業務商業施設のコンペは全国でも初めての試みです。コンペを行ったのは、公共デベロッパーにはない民間の柔軟な発想、アイデア、ノウハウなどが期待できること。さらに、民間の事業逐行力、販売力などにより街の早期熟成が図れること。また民間の豊富な資金力を生かして、良い施設づくりができるからです。
 これに対する市の役割は、第一に街づくりの基本方針、理念を示すこと。第二は街づくりの骨格となる土地利用計画を定めること。第三は道路、新交通システム、公園、学校、上下水道、児童館、老人いこいの家、公共駐車場などの公共公益施設を整備することです。
 第一次事業コンペの計画内容は、業務商業ゾーン(八ヘクタール)には新交通システムの駅と水路を中心にマーケットセンター、食文化をテーマにした複合商業ゾーン、またオフィスビル、ホテル、病院等を集中的に配置しています。そして水路の周辺に各種のレストラン、小売り店舗を配置し、にぎわいと楽しさを演出しています。


注目されるマーケットセンター計画

 この中で特に注日されるのはマーケットセンター計画で、アメリカ最大のマーケットセンターを経営している会社と業務提携し、そのノウハウ導入した国際的なアパレルファッション関連の常設展示場を建設、ここに内外各社のショールームを設置しようという計画です。現在のところ敷地二・一ヘクタール、延床面積十万六千平方メートル、地上六階、地下一階の建物を建て、数百のテナントを誘致するとになっています。昭和六十三年度に着工、完成は六十五年度の予定です。


第一期七百四十七戸三月から入居開始

 住宅については、第一期分「ウエストコースト四番街」七百四十七戸は既に完売して入居が始まっていますが、その中にはアトリエ付き住宅、音楽室付き住宅、ペットの飼える住宅などユニークなものが含まれています。今年三月から始まった入居に合わせて幼稚園、小中学校も四月に開校しました。入居者は、神戸市内が二十二%、阪神間二十八%、大阪府三十二%。その他明石、三木、京都、奈良など広範囲にわたっています。今後も引き続き年間八百戸〜一千戸程度を分譲していく予定です。
 また、六甲アイランドではCATV事業を民間活力によって事業化するために六甲アイランドケーブルビジョン株式会社(RICV)を設立、入居と同時に放送を開始しました。放送内容はテレビ八波、FM二波、さらに通信衛星を利用したアメリカのCNN(ワールドニュース、大リーグ中継などを二十四時間放送)も入っています。
 最南端には、延長七百五十メートルの水際線を持つ、水に親しめる約二十三ヘクタールのウォーターフロントパークを整備する予定です。ここでも事業コンペを行い、民間活力を導入し、公共で整備する緑地公園ゾーンと一体となったレジャーゾーンにする予定です。



街区の四隅にある入り口の一つ(北東部分)。
一風変わった木組みがあり、広いスペースでゆったりした
気分にさせてくれる

陸・海・空の総合物流夕一ミナルに

 産業基盤用地は、神戸にふさわしい産業の立地を図るとともに、神戸の個性ある地場産業を確立するための用地であり、都市再開発用地は、既成市街地の住工混在地区からの移転企業用の用地です。
 埠頭用地・港湾関連用地は、船舶の大型化と海上輸送の多様化に対応できるように、埠頭のほか、内陸部へのアクセスや関西国際空港関連の航空貨物を取り扱うKACCT(神戸エア・カーゴ・シティ・ターミナル)の建設など、陸・海・空の総合物流夕ーミナルを目指しており、昭和五十四年から順次供用を開始しています。現在、埠頭用地では公共バース十八、コンテナバース五、フェリーバース二が供用開始、埠頭用地を除く部分には、七十七社の企業が進出、うち三十五社が操業を開始しています。






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