173号表紙

No.173(昭和62年3月)

特集:

神戸ファッションタウン

神戸ファッションタウン

(左)
アベニュー(通り)に面したアパレル企業のショーウインドー。この通りは市民広場からファッションタウンへの入り口になる道で、"光の路"と呼ばれている

神戸ファッションタウン
多様性のある神戸らしさを演出

神戸ファッションタウン協議会専務理事 田中勇二郎

 山と海に囲まれ、明るい太陽の光に恵まれた神戸―。開港以来、海外との窓口として発展してきた神戸は、ハイカラでモダンな神戸文化を育て、自由で寛容な街の雰囲気をつくり出して来た。また、そこではぐくまれたフロンティア精神は、他の都市にない魅力ともなっている。

13業種38社が進出を決定
 その神戸が、全国に先駆けて昭和48年にァァッション都市宣言を行い、今年で15年目を迎える。このファッション都市・神戸の中核となるのがポートアイランド内に一角を占める面積十三・五ヘクタールの"神戸ファッションタウン"である。現在四十一区画に十三業種三十八社の進出が決定しており、既に二十一社が操業中である。
 これらの進出企業は昭和58年に、「神戸ファッションタウン協議会」を結成し、行政と協力しながら、次の二つの基本目標を設定して街づくりを進めている。一つは、ファッション系産業の振興拠点づくりであり、もう一つは快適で魅力あるファッション都市空間の創造である。
 まず、振興拠点づくりでは、あすのファッションをリードする高感度企業を集積し、世界に開かれたファッション系のビジネスセンターとすることにある。そのため、地元企業を中心に全国から、アパレル、真珠、和・洋菓子、スポーツ用品、化粧品、家具、音響機器、コーヒーなどといったファッション系生活文化型企業の誘致に努めてきた。そして、それらの企業が人材や情報、イベントなどの面で互いに交流し、刺激し合うことによって集積のメリットを生かし、総合的なファツンヨン基地として、情報と人材を世界に向けて送り出すことを目指している。
 魅力ある都市空間の創造では、人々が集まり、新しいファッション感覚が生き生きと育つ、界隈性のある街にしていくことである。進出企業はこのため、建物の外観や内装のデザインに意匠を凝らすとともに、敷地部分や企業内施設を一般に開放するよう配慮している。また、多目的ホールや体育館、ミュージァ厶、レストランなどが企業の建物内に設置され、ファッションショーやコンサートなどのイベント、スポーツ講座が開催されている。このほか、せせらぎのある路、ポケットパークなども整備され、ファッショナブルなたたずまいを見せてきている。

人間中心の開放された街
 ユニークなビルの外観、潤いのあるポケットパークやアベニュー、タウン内で働く人々の生き生きとした姿、楽しいイベント……、いまファッションタウンは、多くの人々が集い、語らい、憩い、楽しめる人間空間に育ちつつある。そして、人間中心の開放された街で、人間愛に包まれた香り高い生活の美、すなわちファッンヨンの創造がこのタウン内で競われ、展開され、街そのものが美を求める人々の集いによって活気にあふれ、人と人、人と物、人と情報との交流を通じ、このタウン内から新しい美と文化が生まれてくる。
 市民、企業、行政が共に築きあげてきた神戸のファッション産業。今後、独自の生活文化に基づく神戸ファッションの理念を広くアピールするため、多様性のある神戸らしさを演出し、そして、神戸ファッンョンの個性をさらに高めていかねばならない。ファッションタウンの完成する昭和64年は、ファッション都市神戸の新たな出発点となることだろう。

写真
ポートピアホテルの屋上から見た神戸ファッションタウン全景
ファッションタウン進出企業
(62年3月3日現在)
〔アパレル〕=19社= キ厶ラタン△シャルレ△ジャヴァ△ワールド△レモン△リッチガール△キャン△アバン△ジュン△アオイ△フジイエンタープライズ△メイワ ●(建設・計画中)リオ横山△カイタック△キャラバン△ジェルベ△パール△オールスタイル△モードオリオン
〔コーヒー・洋菓子〕=5社= コスモポリタン△神戸風月堂△ユーハイ厶 ●(建設・計画中)モロゾフ△上島珈琲
〔真珠・宝石・貴金属〕=4社= 田崎真珠△大月真珠 ●(建設・計画中)木下真珠△ヒラコ地所
〔化粧品〕=2社= ヌートリメテイックスインターナショナル ●(建設・計画中)ノエビア
〔スポーツ用品〕=1社= アシックス
〔音響機器〕=1社= (建設・計画中)東亜特殊電機
〔靴〕=1社= (建設・計画中)カワノ
〔家具〕=1社= ニッポンインテリアチェーン
〔その他〕=4社= コナミエ業 ●(建設・計画中)ファッションエ学研究所△情報工学研究所△フジッコ
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