167号表紙

No.167(昭和61年9月)

特集:

新開地いまむかし

新開地いまむかし

地元の熱意で再び…

新しい町づくり構想に取り組む新開地
 新開地が、長い眠りから覚めて、ようやく新しい町づくりへ向けて動き始めました。明治の後期から大正・昭和にかけ、大阪の千日前や道頓堀、東京の上野・浅草に匹敵する日本有数の歓楽街であった新開地は、戦災に続く映画の斜陽化、あるいは、神戸の都市機能の中心が次第に三宮に移ったことなど、戦後はいろいろな事情で衰退の一途をたどり、活性化に向けた有効な手掛かりがつかめないまま今に至っています。
 その新開地で、一昨年末に新開地周辺地区まちづくり協議会(広瀬勧学会長)が結成され、同協議会を中心に住民に対するアンケート調査、現状と課題について検討会、研修・見学会など、地道な活動を積み重ねながら、本格的な町づくり構想を進めています。
 新開地の人たちが、古き良き時代への単なる郷愁を捨て、自分たちの町に再び希望を見出し結集し始めたことは、神戸っ子にとっても何か頼もしく、うれしいことです。

(左)
入り口の上に彫刻の女人像が飾ってある本通りの喫茶店。通りを歩きながら仰ぎ見る人は少ない(新開地2丁目)

  • 写真看板に"創業50年"と書かれた古本屋の店内
  • 写真「新開地周辺地区まちづくり協議会」が結成されて間もなく、本通りに面して事務所を構えた広報センター。"まちづくり会報"も発行している
  • 写真新しいビルの1階に並んだメンズの洋品店と大衆酒場(新開地1丁目)
  • 写真袋詰めにされた豆や菓子類が店頭に並ぶ豆店
  • 写真本通りのしゃれたカラー舗装(新開地3丁目)
  • 写真"出会い、感じる"―。新開地でのふれあいをアピールする歓迎旗
  • 写真太鼓、ちょうちん、鳴り物など演劇、日本舞踊などの小道具を扱う工芸店(新開地1丁目)
写真
湊川公園の木蔭で縁台将棋を楽しむ人たち
  • 写真生まれ変わる湊川公園のシンボルのーつ、カリヨン記念塔
  • 写真公園の木製遊具で遊ぶ子供たち
新開地関係年表
明治
元年 5月 兵庫裁判所を廃し兵庫県を設置
4年 6月 福原町を湊川堤防下に移し、新福原町と称す
7年 3月 神戸〜大阪間鉄道開通
19年 4月 兵庫造船所の払い下げを受け、川崎造船所誕生
21年11月 山陽鉄道(現国鉄山陽本線)兵庫〜明石間開通
22年 4月 神戸市制実施
〃 9月 山陽鉄道兵庫〜神戸間開通
29年11月 神港倶楽部(現在の中央区花隈町)でわが国初の活動写真公開
30年11月 湊川の付け替え工事起工式
34年 7月 湊川付け替え工事完成、通水式挙行
38年11月 旧湊川の地ならし工事が完成。新開地誕生
39年12月 現在の中央区相生町にあった相生座が新開地進出第一号として移転
43年 3月 兵庫電気軌道(現・山陽電鉄)兵庫〜須磨間開通
 〃 4月 神戸電気鉄道(後の神戸市電)兵庫〜春日野道間開通
44年 9月 大政山公園開設
 〃11月 湊川公園(遊園地)開設
※明治末〜大正二、三年ごろ、劇場・寄席・映画館が新開地へ移動
大正
元年11月 川崎造船所のガントリークレーン完成
2年 8月 新開地に聚楽館誕生
10年 6月 川崎・三菱大争議
 〃10月 湊川トンネル完成
13年 3月 湊川公園の神戸タワー開業
 〃 4月 湊川公園の音楽堂開堂
14年 8月 聚楽館で初めてトーキー上映
15年 7月 三越神戸店開業
昭和
2年 6月 神戸市民館(百貨店的なもの)新開地に開く
3年11月 神戸有馬電気鉄道(現・神戸電鉄)営業開始(湊川〜有馬間)
4年 4月 キネマ倶楽部で初めて洋画のトーキー上映
4年11月 映画館松竹座、新開地に新築
5年 4月 市営バス事業始まる
 〃 9月 湊川水族館開館(18年2月まで)
6年 5月 喜劇王チャップリン来神
8年11月 「第一回みなと祭り」開催
10年 5月 大楠公六〇〇年祭
12年 9月 神戸ガスビル落成
13年 7月 阪神大水害
20年 5月 戦災を免れた松竹座が寄席劇場として再出発。聚楽館も映画封切館に復活
 〃 8月 終戦
 〃 9月 市庁舎、勧業館(現・兵庫区役所の地)などに移転
25年 3月 神戸博、王子・湊川両公園で開催(3/15〜6/25)
30月 9月 ウエストキャンプ接収解除
32年 4月 市の新総合庁舎(現在地)完成
43年 4月 神戸高速鉄道開通(同年9月メトロこうべオープン)
46年 3月 市電全線廃止
47年 3月 松竹劇場閉館
48年 9月 神戸文化ホールオープン
49年10月 サンこうベオープン
51年 9月 松竹座閉館
53年10月 聚楽館閉館
56年 3月 ポートピピ'81開幕(3/20〜9/15)
57年 3月 新開地商店街アーケード・カラー舗装完成
58年 3月 湊川温泉閉館
58年 6月 市営地下鉄山手線一部(新長田〜大倉山間)開通
59年10月 新開地周辺地区まちづくり協議会設立
60年 6月 市営地下鉄山手線(大倉山〜新神戸間)、西神延伸線(名谷〜学園都市間)開通
 〃 8月 ユニバーシアード神戸大会開催(8/24〜9/4、神戸総合運動公園陸上競技場ほか)

清潔で"おもろい町"に…
新開地を語る地元座談会

「今の新開地をどう思われますか?」と最初に質問しただけで、後は、新開地で商売をされている皆さんからぽんぽんと話が飛び出した。みんなの思いは一つ、新開地をもっと清潔で"おもろい町"に、である。そして最後は、「今ここでやらなんだら、それこそ新開地は駄目だろうね」だった。頑張れ、新開地!

座談会出席者(順不同・敬称略)
新開地周辺地区まちづくり協議会 広瀬勧学、久保正二、岡尾靖正、青木宏、背原政一、坂尾好亮、高尾寿須子、平野祇之助、高田昇

  • 写真湊川温泉跡に建設中のマンション
  • 写真活性化の大きな課題にもなっている新開地本通りの空き地。本通り沿いだけでも6ヵ所に大きな空き地があり、商店街としての連続性を分断している
  • 写真改装工事のため休館したままの映画館
  • 写真新開地周辺に建ち並ぶ高層マンション(写真左手のアーケードの屋根は新開地本通り)。周辺の人口、特に若い家族の定住性を高めるために、住宅とその周りの環境づくりが強く求められている
  • 写真北神戸方面からの乗客で混雑する神戸電鉄新開地駅の朝のラッシュアワー
  • 写真

    市民の花・アジサイ模様の電飾が明るい雰囲気を醸すメトロこうべ新開地タウン

    写真一日の乗降客が約五万人ある高速新開地駅
写真協力(敬称) 荒尾親成、大阪ガス神戸支社
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