97号表紙

No.97(昭和55年10月)

特集:

グリーン散歩

グリーン散歩 解説・室井 綽(姫路学院女子短大教授) とんがり帽子のような姿の美しいメタセコイアが、クスノキの並木の風情を一段と増しています。メタセコイアは春の新緑と11月の紅葉が見事です(東灘区青木幹線)
 神戸のまちから、街路樹という街路樹が一度に消えてしまったら一体どんなまちになるのだろう―。もちろん、そんなことは想像もできないことですが、街路樹を見ながら市内のいくつかのコースを歩いているうちに、ふとそんなことを考えてしまったのです。
 毎日歩きなれた散歩道、通勤・通学道の街路樹がさて何の木だったのか、すぐには思い出せない人もいらっしゃることでしょう。ただ黙って、私たちのまちに色どりとうるおいを与えてくれている街路樹。生活になくてはならない街路樹。そして、私たちのほんの身近な所にこんなにたくさんある街路樹。多くの木々はやがていっせいに葉を赤く染め、冬じたくをいそぎます。
 一度近くの緑をゆっくり見ながら"グリーン散歩"を楽しんでみられてはいかがですか。

東灘区本庄中央公園〜青木幹線〜商船学校線〜稲荷神社

  • 東灘区本庄中央公園〜青木幹線〜商船学校線〜稲荷神社 地図
  • 歩道上にせり出すように枝を伸ばすキョウチクトウ。向日性の木で、太陽のあたる方向へどんどん枝を伸ばすのです(青木幹線)
  • トウカエデは紅葉の美しい木です。バラエティに富んだ晩秋の紅葉ぶりをぜひご覧ください
  • 国道2号線のイチョウ。幹を見るとかなり太い感じですが、人間の年齢にすれは二〇歳ぐらいでしょうか、まだ若い方です。どんな環境でも適応性の強い木です
  • 北の突き当たりに六甲山が横たわる青木幹線。道の両側にクスノキの街路樹が整然と並び、中央分離帯にはアベリアがまっすぐ伸びています。若々しく、すっきりとした通りです

灘区王子公園〜野崎線〜篠原公園〜〜都賀川河川公園

灘区王子公園〜野崎線〜篠原公園〜〜都賀川河川公園 地図
静かなカロリナ ポプラ並木(薬師通)
野崎線のチューリップ ツリ一。初夏に可憐な花を咲かせるので沿線の人たちから大変親しまれています
  • 旧ハンター邸(重要文化財)のカイズカは、多くの木が冬に葉が落ちるのに、この木は逆に緑があざやかになるので冬場に人気があります。反向日性なので、枝の先端が北を向きます(王子公園内)
  • 青谷川ぞいのシダレヤナギ。ヤナギの下でけんかをする人はいない、といわれるほどこの木を見ていると心が落ち着きます。四季の緑の変化が実に微妙です
  • 子ともたちの遊ぶブランコを覆っているシナサワグルミは、首飾りのような実ができるので子どもが喜びます、複葉で涼しさが感じられ、枝が横に伸びるので公園に適しています。右側の木はクスノキ(篠原公園)
  • 篠原公園のマテバジイ。シイノキの仲間ですが、第一級のよい酸素を出します。勉強で疲れた人はここで深呼吸するといいですよ、頭がすっきりするはずです
  • 都賀川ぞいのサクラ並木。四月の花見時には見事な花のトンネルが出現します。そして夏場は、このすぐ南側の川が河川公園として子どもの水遊びでにぎわいます
  • 新しく舗装された北野坂。写真中央の木がコブシ(モクレンの仲間)で、早春に早い花が必ず六甲山の方を向いて咲きます。指標植物といい、この花を見るとどっちが北かすぐわかります。右側の木はクスノキ

生田区北野坂〜鯉川筋〜栄町線〜ポートタワ一

  • 生田区北野坂〜鯉川筋〜栄町線〜ポートタワ一 地図
  • 晩秋の紅葉がひときわ美しいアメリカフウ(花隈線)
  • 山手幹線のシンジュ。幹はすっきりと白く、しかも複葉なので涼しさを感じさせます。この木は枯れかかると幹にキノコが出ます。これが中華料理、寿司などでよく使われるキクラゲです
  • いろいろな木に囲まれた中突堤入り囗の"みどりの泉"
  • 鯉川筋のナンキンハゼ。市内では紅葉のトップクラスで、秋に実がはぜると白いロウが出て人気があります
  • トアロードや鯉川筋のネムノキは今ではすっかり有名になりました。初夏に咲く淡いピンクの花を見るためにわざわざ遠方から来る人もたくさんいます。八イカラで、そのくせしっとりとした、神戸にふさわしい街路樹です(トアロード)

兵庫区会下山公園〜兵庫駅前緑道〜湊町公園〜神戸駅前

  • 兵庫区会下山公園〜兵庫駅前緑道〜湊町公園〜神戸駅前 地図
  • 兵庫駅前ロ一タリーのイチョウ(手前)。バス待ちの人たちにとって格好のいこいの場になっています
  • 中央分離帯のクスノキとカンツバキ。カンツバキは1月から3月はじめにかけ、目のさめるような深紅の花を咲かせます。無味乾燥の冬場だけに人の心をやわらげてくれます(兵庫駅前線)
  • 会下山公園のセイヨウポプラはまだ若い木で、ほうきを立てたような生き生きとした姿が美しい
  • しばらく見ぬ間にぐんと大きくなった兵庫駅前緑道の木々。手前の木はコブシ、市内では比較的少ない木で早春に白い花を咲かせます。その他ではクスノキ、ムクゲなどかあります
  • イチョウの雄・雌は枝の出方を見ればほぼ分かります。雄は上へ向いてす一っと伸び、雌は横に伸びることが多いです。写真右は雄のイチョウ、上は雌のイチョウで、その違いがはっきり出ています(どちらも兵庫駅前線)
  • 平野線のプラタナス。見るからに素朴で明るく、市民から親しまれている街路樹です。和名はスズカケノキ
  • 分離帯のシャリンバイ(手前)、その向こうはトベラ。どちらも冬になるといっそう緑がさえます(永沢線)
  • うっそうと茂る湊町公園のクスノキ

長田区長田神社〜長田区役所〜市民運動場〜観音山公園

  • 新湊川にたれ下がるシダレヤナギ。橋を渡った向こうの大きな木は"市民の木"のケヤキ)
  • 新湊川ぞいにあるカイズカ。太陽をきらう反向日性の木で、枝の先が北ないし日陰の方を向いている特性がよく出ています)
  • 新湊川ぞいのシャリンバイと、大きな木はクスノキ。シャリンバイは葉の緑の光沢がきれいな木で、寒くなるとますます緑はさえます)
  • 噴水のあるいこいの場。手前はハイビスカス、向こうの木はクスノキ。ベンチに座ると自然と心がやすらぎます(長田区役所前))
  • 妙法寺川公園の見事なサクラ並木。この公園のソメイヨシノは人間でいえば三〇歳の全盛期で、来年の春のやってくるのが待遠しい感じです
  • 太い枝が力強く広がり、見るからに安定感のあるクスノキ。この木の下で腰をおろすとほんとうに静かで、生きている喜びのようなものを感じます。向こうのテニスコ一卜では若者が元気にプレイを楽しんでいました(市民運動場))
  • 観音山公園のトウネズミモチ。6月に青白い花をつけると、辺り一面によい匂いがたちこめます)

須磨区平田公園〜妙法寺川公園〜下中島公園〜海浜公園

  • 見事にたれ下がったシダレヤナギ。ヤナギの落葉は、11月に入って急に寒い日がやってきたりすると一夜のうちに葉が落ちてしまいます。そしてヤナギが落葉すると、この木の下にベルト状に生えているトベラの緑がものすごく映えてくるのです(下中島公園)
  • 平田公園のヒマラヤシイーダ一。冬場の緑を観賞してください。これから冬にかけてだんだんと葉の緑が美しくなります
  • シダレヤナギにぴったりの美しいシーンでした。子どもが一人ぽっちというのではなく近くに母親がいるのですが、まさに平穏そのものの風景でした(下中島公園)
  • 海浜公園の若人たちは表情までが生き生きしています
  • 妙法寺川公園のチューリップ ツリー。5月には黄色のチューリップのような可愛い花を全面につけ、何となく人をひきつけます。葉先きは紙細工のような特殊な形をしており、見ているだけで楽しくなる木です
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