92号表紙

No.92(昭和55年5月)

特集:

空から見た神戸

空から見た神戸 あすの神戸を支える新しい動脈―。神戸の玄関口・三宮駅と、21世紀の海上都市・ポートアイランドを結ぶ新交通が白く一直線に伸びていた
 「空から見た神戸」のタイトルどおり、別に奇をてらうのではなく、今の神戸がどんな姿で息づいているかをごく素直に、空から見てみようとヘリコプターで神戸の上空を飛んでみた。
 最初にまずポートアイランドへ飛んだ。高度三〇〇メートルから見るポートアイランドは、奇妙なほど静かである。下ではあちこちの建設現場でつち音がひびき、トラックが砂煙を上げて走っているのに、そんな動きを一瞬止めてしまったかのように素直に全ぼうをさらしている。
 下で見ると、あんなに大きく威圧的な新中央市民病院や超高層ホテルが、どうぞゆっくりご覧下さい、といわんばかりにおとなしい。いつもは可愛いげのないコンテナふ頭のコンテナ群も、きょうはマッチ箱のようになってしまって急に親しみがわいてくる。こんな人なつっこいポートアイランドを見たのははじめてだった。
 それにしても、これほど広い空地がまだ中央部にあったのは意外だった。下ではこういう広さの実感はとてもつかめない。細い帯のような新交通ポートアイランド線の内側の空地が来年春開催するポートピア'81の主会場になる所で、各種のパビリオンが今からここに建設される。上空を二度、三度と旋回する間も、思いは早やその方に飛んで開幕がしきりにと待遠しい気持にかられた。
 ポートアイランドは確かに島である。港の中に作られた人工の島だが、こうして上空から眺めると、島の感じは全然しない。見る側がそれだけなじんできたのか、島自体がわれわれの方にとけ込んできたのか、今やポートアイランドは、以前のようなさびしさや遠慮などみじんもなく、おっとりと、自信たっぷりで誇らしげである。この先さらに新交通が走り、博覧会が開かれ、もっとたくさんの人が住み働き…、それこそ"21世紀の海上都市"がその機能をフルに発揮するようになると、神戸の顔は文句なしにここに移ることになるだろう。
 五月晴れの下、神戸のまちは眠っているかのようにのどかにかすんでいる。ヘリコプターはようやくポートアイランドを後に、機首を市街地へ向けた。
ポートアイランドは広い。“ポートピア'81”の主会場になる中央部分の空地に、来年春までにどんなパビリオンが建ち並ぶことだろうポートアイランドは広い。"ポートピア'81"の主会場になる中央部分の空地に、来年春までにどんなパビリオンが建ち並ぶことだろう
市営地下鉄名谷駅、須磨パティオ上空から名谷団地西南方向を望む。塩屋、垂水の市街地の向こうに淡路島が見える

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