6号表紙

No.6(昭和46年10月)

特集:

にぎわうフェリーターミナル

フェリー時代 長距離フェリーから下船する観光バス(東神戸公共フェリーふ頭で)

日本最大のフェリー基地
東神戸公共フェリーふ頭

四バースが勢ぞろい

 帰省客や旅行者でごった返したお盆前の東神戸公共フェリーふ頭に立って、つぎつぎやって来る車の番号を見ていますと、東京ナンバーの車が多いのにおどろきました。いろいろ聞いてみますとその理由の第一は、「神戸からフェリーに乗るのが一番手ごろで便利」ということです。たとえば東京・宮崎間を直通で結ぶフェリーもありますが二十六時間もかかり、これでは長すぎて退屈します。東名、名神の高速道路を快適に飛ばして約八時間で神戸に着き、車ごとフェリーに乗換えると十五時間で宮崎へ。その間に休息も睡眠もとれますから、この理由はおのずとうなずけます。
 そして第二は、フェリーといえば文句なしに神戸という知名度が関東の人たちにも非常に強いことでした。つまり、第一の理由は神戸が東西の接点にある利便性、また第二は日本ではじめて、しかも日本最大の公共フェリー基地を神戸でつくったことが、やはり他を大きくリードしているわけです。この二つは、東神戸公共フェリーふ頭の持つ特徴を端的にあらわしているといえるでしょう。

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接岸した豪華フェリーにつぎつぎ車が乗入れる

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船待ちの車でぎっしりうずまった駐東場

一日三十二便が就航

 昨年から工事を進めていた東神戸公共フェリーふ頭は、昨年夏に第四バースが完成したあと第三、第二と相次いで完成、七月はじめに第一バースもでき上がり、計画されていた四バースはすでに全面的に便用されています。現在十社(一日合計三十二便)が利用中で、千二百トンクラスまで、大小さまざまのカーフェリーが昼夜にわたって発着しています。
 コンテナから"動く幹線道路"といわれるフェリー、そして最近は荷物を積んだハシケごと運ぶラッシュ船と、海上の輸送革命は急テンポで進んでいますが、フェリー時代の到来にいち早く目をつけて神戸市が計画したのが"公共ふ頭"です。

相互利用に先ベン

 フェリー各社が、それぞれ自社のバースを持つことは、ただでさえ手ぜまな神戸港では考えられませんし、バク大な費用がかかります。そこでフェリー専用の公共ふ頭をつくりこれをたくさんの船会社が相互利用すると利用者も便利だし…という計画を最初に神戸市が運輸省へもちかけたところ、運輸省も"なるほど!"と飛びつきました。現在、市の東部第三、第四埋立工区の根本部分(約七万七千平方メートル)にある東神戸公共フェリーふ頭の工費二十三億余万円の半額は国の補助金で、残りは神戸市の起債などで建設されたものです。

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完成した四バースにそれぞれ接岸したフェリー

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デッキのベンチでくつろぐ乗客

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大型トラックや乗用車でいっぱいの車両甲板

注目集める統一管理

 ところが、その後は国の方針が補助金は出さないことに変ったため、あとから申請した大阪、名古屋、東京などは政府資金を借りることはできても、自前でつくらなくてはなりません。フェリーの利用がますますふえることがわかっているのに、そのふ頭づくりにいちいち国が補助金を出すことはないということでしょう。だから大阪でも公共バースができ、続いて名古屋や東京にも専用のバースができるでしょうが、国から金を借りても残りは利用する船会社や民間資金でつくることになるわけで、神戸のように株式会社神戸フェリーセンター(玉井 操社長)という管理会社をつくり、港湾管理者である市の代理業務から利用各社の代理業務まで一本化したシステムは、おそらくとれないだろうといわれています。
 同センターの主な仕事の内容は、キップの受託販売、可動橋操作、駐車場の整理管理、船のバースや入出港時間の調整、船舶給水、石油類の給油作業。仮眠場の運営管理、船舶代理店および車両・乗客保険の代理店業務、レンタカーのあっせん…、さらには乗下船時の安全確保から船の安全運航のための情報伝達や、すべての船会社が公平に利用できるようにということですから、その苦労は大変で、それだけに多種多様のスムーズな管理運営が全国から注目されているわけです。

48年度にさらに七社

 ところで現在、同ふ頭を利用して中・長距離航路を運航しているのは関西汽船、加藤汽船(神戸−高松間)日本通運、四国フェリー(神戸―高松間)四国中央(神戸―川之江間)ダイヤモンドフェリー(神戸―松山―大分間)セントラルフェリー(神戸―東京間)宮崎カーフェリー(神戸―宮崎間)阪神バイパスフェリー(神戸―泉大津間)共同汽船(神戸―徳島間)の十社七航路。この十社のほかにいま申請中のが七社あり、最終的には計十七社が四十八年度中には全部就航する予定です。

ふえる長距離ルート

 このなかには八千トン級のマンモスフェリーで神戸−鹿児島を結ぶ太平洋コースや、神戸―徳島間がさらに四便、神戸―今治、神戸―長浜、神戸―別府―苅田、神戸―海南―白浜航路があり、すでに就航分も含めて湾内フェリー的なのは一社だけで、あとはすべて瀬戸内海、太平洋をルートとする中・長距離フェリーで、長距離フェリー時代の到来をつげています。

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フェリーを利用する一般旅客も最近は多くなった

第五ふ頭も来春着工

 それだけに、十七社が全部運航をはじめると現在の四バースでは一日三十数便の発着が限度とみられているため、手ぜまになってきます。そこで第四工区埋立地の東部に新しいバースをつくる計画で、来年春までに着工、四十七年度中に完成し、いまのところ鹿児島、東京行など長距離専門のふ頭にしたい考えです。これは国の補助金でなく、神戸フェリーセンターが約十億円をかけてつくります。

旅客サービスを徹底

 このように全国に先ベンをつけ、注目を集めている公共フェリーふ頭ですが、神戸フェリーセンターの久保源三郎專務は「とにかく全国で最初にできただけに、神戸が恵まれていたことは事実です。しかし大阪はじめ名古屋、東京にも大きな専用バースができることだし、われわれとしては神戸の特色をさらにのばし、旅客サービスに徹することです。またフェリーといえばすぐレジャーに結びつけられますが、最近は九州に続いて四国の生鮮食料品もフェリーを利用してどんどんはいってくるようになりました。これらをのばすことによって、乗用車よりトラックの比重を多くするよう努力したい」と話しています。

図:フェリー航路
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